2007年11月1日木曜日

Windowsのよくあるフォントのトラブル

フォントのトラブルの一番多いものはフォントキャッシュ (ttfCache) の破損によるトラブルです。
以下のような症状の場合フォントキャッシュの破損が考えられます。
・ドロップダウンリストやスクロールバーの矢印が数字等がおかしな文字になっている。
・アプリケーションで選択できるフォントが減っている、足りない。
・フォントがインストールできない。フォントをインストールしても、フォントリストにない。
・フォントが強制的に横向きになってしまう。
・ウィンドウ右上の最大化や最小化ボタンが数字などになる
回復の仕方はシステムの中のttfCache ファイルを削除します。「ttfCache」が見つけられない場合は以下の手順を参考にしてください。

1. [スタート]−[検索]−[ファイルやフォルダ] をクリック。
2. 名前に ttfCache と記入し、「検索開始」ボタンをクリック。
3. 検索されたttfCacheファイルを削除。
4. Windows を再起動。
また上記の「フォントがインストールできない」の原因には「フォントフォルダの破損」も考えられます。
ttfCache ファイルを削除で回復出来ない場合、以下の作業をしてください。
1. [スタート]−[Windows の終了] から「MS-DOS モードで再起動する」を選択して再起動します。
2. コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行。
C:\WINDOWS>attrib +s fonts
C:\WINDOWS>exit
それ以外の原因にいわゆるフォントの入れすぎという事が考えられます。フォントにもよりますが、およそ1000フォント以上入っている場合は要注意です。不必要なフォント、あまり使用しないフォントを一旦フォントフォルダーから外してください。またフォント管理ソフトを使用するというのも良い手だと思います。この手のソフトはフォントフォルダー以外にフォントを置いて管理ができるもので、Windowsにはいろいろなフリーウェア、シェアウェアがあります。また裏技的ですがフォントファイル自体をダブルクリックして見本が出ている状態でアプリケーションを起動すれば、そのアプリケーションでフォントを使用することもできます。

「ふぉんとふぁいるまねーじゃ」http://hp.vector.co.jp/authors/VA013845/
「FontPnP」http://www30.cds.ne.jp/~yukinaka/eurek

フォントの種類
ビットマップフォントとアウトラインフォント
ビットマップフォントとはドットの集合体で構成されているフォントのことで特定のサイズ以外ではギザギザとした感じで表示されてしまいます。フォントの歴史上もっとも古い形式で「ドットフォント」「スクリーンフォント」などと呼ばれる場合もあります。処理速度は速いのですが、アウトラインのデータをもっていないので印刷には向いていません。逆にアウトラインのデータをもったものをアウトラインフォントと呼びます。「TrueType」「Postscript」「OpenType」などがこれにあたり、なめらかで美しい曲線で表示・印刷が可能で、拡大縮小も自由にできます。

PostscriptとTrueType
TrueType(トゥルータイプ)とPostscript(ポストスクリプト)はアウトライン情報を持つという意味では似ていますが、まったく違うデータで作られています。Postscript(ポストスクリプト)はベジェ曲線を使用してアウトラインデータが作られておりATM(Adobe Type Manager)を通してフォントをなめらかな曲線に表示・印刷する仕組みをとっています。それに対しTrueTypeは2次スプライン曲線でアウトラインが作られています。一見似ていますが2次スプライン曲線の方がデータ的に大きくなる場合がほとんどです。(写真 ベジェ曲線 2次スプライン曲線)WindowsにもPostscriptフォントは使えますが、環境の整備が整わなかったためTrueTypeが標準となりました。今後は新しいフォント形式である「OpenType」が標準になりつつあります。

OpenType
OpenTypeは96年に、Adobe社とマイクロソフト社によって開発された新形式で、Windows NT5.0以降よりサポートされている次世代フォントです。簡単に特徴を言うと「PostscriptとTrueTypeの良いところを統合し、進歩させたフォント」です。最大のメリットはMacintosh版とWindows版の違いがなく、両プラットフォームで自由に使える点で、これによりWindowsDTPの確立が望めそうです。また、いままで第一水準、第二水準の漢字6900字だけであったが、第三水準5000字も使用できるようになっている。またそれ以上の漢字もサポートできる可能性をもっており、実際にヒラギノシリーズ(大日本スクリーン製造)などはさらに8000字が加えられている。ただし、OpenTypeの現状で注意して欲しいのは、標準でバンドルされている日本語フォントはまだなく、ソフト・印刷会社も対応が遅れているので事実上はまだ、次世代フォントであるという点です。もちろん近年中に標準化していくことは確実だと思いますが・・・

1バイトと2バイト
もともとフォントは1バイト(8ビット=2の8乗=256)のもの。ほとんどの国では256文字もあれば全ての文字を当てはめるのに十分な数だからだ。ところが日本では常用漢字でさえこの256の数を超えてしまう、そこで2バイト(16ビット=2の16乗=65536)に文字をあてることに決まったのである。つまり多くの場合2バイトフォントと言えば漢字フォントのことになる。

タイプフェイスの分類
「欧文」
■セリフ
「セリフ」とは文字の端についている「ひげ」のような部分のことです。「セリフ」は書体のデザインのバリエーションではなく紀元前からデザインされていた書体のひとつです。石版に刻むときに出来る亀裂がそもそもの原点という説もあります。
■サンセリフ
逆に「セリフ」のないものを「サンセリフ」といい18世紀のイギリスで作られました。商業印刷技術の普及と共に広がっていきました。現在では欧文の本文はサンセリフで組まれています。
■スクリプト
筆記体のことで、ペンや筆で書いたような文字がこれにあたります。文字同士の結合部分がうまくつながるように気をつかって使った方が良いです。
■ディスプレイ
見出し・タイトルのためにつくられたインパクト・ユニークなどに富んだ書体のことです。本文等で組むと読みづらいので注意しましょう。
「和文」
■明朝体
毛書体の要素を残しつつ直線的にすっきりとデザイン化されたもので、横線よりも縦線の方が太いのが特徴です。欧文の「セリフ体」にあたります。
■ゴシック体
均一なラインが特徴で「丸ゴシック」「角ゴシック」などの区別もあります。欧文のセリフにあたります。
■筆記体(楷書体、行書体等)
楷書、行書等の書き文字を元につくられたもの。勘亭流などもこの仲間です。

フォントのファミリー
フォントには様々なバリエーションをもつ「ファミリー」となっているものがあります。1つのデザイン上でファミリーに統一しておけば、統一感のあるデザインが行えます。
バリエーションとして最も一般的な物に「ウェイト」があります。欧文では細い順よりThin/Light/Bookとなり標準がRegular(Romanの場合もある)、それ以後はMidium/Demi/Bold/Heavy/Black/Nord/Super/Posterとなっていきます。しかし規則があるあけではないので表記の方法が違う場合もあります。また、Regularがないものは意外と多くその場合はBookもしくはMidiumが標準となります。
和文の場合は「ウェイト」の表記がほとんどの場合大きく異なります。メーカーごとに表記が違いますが大きく分けてL/R/M/B/Uなど欧文の「ウェイト」表記の略を使う物と、W3/W5/W7/W9などウェイトの頭文字のWと数字で表すところが多いようです。
また、フォントにはウェイト以外にもCondenced(横幅の狭い)、Extended(横幅の広い)やitalic(斜体)などがあります。


Windowsのフォントについて
Windowsのフォントの標準
Windowsには"TrueType"(トゥルータイプ)というフォント形式もしくは「OpenType」という形式があります。Windowsに標準でついている「MS明朝」や「MSゴシック」などがこれに当たります。TrueTypeフォントはもともと、91年にApple社とMicrosoft社が、Adobe社の"Postscript Type1フォント"(後述)に対抗して開発したものでしたが、将来的にはOpenTypeに取って代わりつつあるようです。日本では一般的に、個人やビジネス文書などの家庭向きプリンターではTrueType、商業印刷物ではPostScriptといった使われ方が標準的です。ここで、疑問をもたれた方もいるでしょう「Windowsでは商業印刷物はつくれないの?」と・・・その疑問にはフォントの歴史が深くかかわっています。


WindowsDTPにつながるフォントの歴史

フォントの始まりは「Macintosh」(マッキントッシュ)の始まりとほぼ同時と言えます。1984年、初代Macintoshの発表と同時にAdobe社によりPostscriptのフォントが公開されました。このフォントは当時画面上でなめらかなフォントを表示することが技術的に困難だったため、スクリーンではギザギザでもプリントアウトするとなめらかなラインになっている様に開発された最新の技術でした。以後フォントメーカー、出力・印刷会社もこれに追随する形で発展していきました。そしてMacintoshでは現在でもPostscript、フォント形式のバージョンアップをくり返し商業印刷業界の標準の地位を築いています。
そのAdobe社のPostscript形式に対抗するため91年に、マイクロソフト社とアップル社の共同開発によって作られたのが「TrueType」フォントです。TrueTypeはプリンタ側にフォントがなくても印刷ができ、フォントデータのアウトライン化ができるなど、たいへん利便性の高いフォントでした。Windows95の標準の仕様ということもあって瞬く間に一般家庭に普及しました。ところが、大手フォントメーカー、出力・印刷会社はフォントのコピーが簡単にできる、出力に時間がかかる、高解像度の出力が出来ないなど、様々な誤解・行き違いから二の足を踏んでいました。普及すると思われたWindows DTPでしたが、思わぬ障害につまづいてしまいました。そうしている間にAdobe社とマイクロソフト社の共同開発により「TrueType」と「Postscript」の良いところを足して作られた「OpenType」フォントと言う形式が発表されました。この形式はWindows2000以降のWindows OS、Mac OS X以降に標準で入っておりOS間を意識することなく使用でき、いままで問題になってきた部分も改善した夢のような新フォント形式です。しかし現在の所、ソフトメーカー、出力・印刷所ともに未対応の所が多いのが現状です。以上の原因からMacintosh中心のDTPの世界ですからWindows機を使う上でその違いについていくつか注意することがあります。


WindowsとMacintoshのフォントの違いによるトラブル

DTPを行う上で現在アプリケーションはMacntoshもWindowsもほぼ同じソフトが揃っており、フォントを除いては問題なくデータの受け渡しが可能だ。しかし、フォント環境の違いから思わぬトラブルになることもあるので注意しよう。またWebでの文字表示スペースは驚くほど違うので注意が必要だ。

■モリサワ書体
現在DTPの中心メーカーである「モリサワ」では正式なWindowsフォントはでていない。このことはWindowsのDTPを行う上で最大の障害だ。そこで99年に主要フォントについては「view font」というデータ確認・互換用のフォントが発売されている。精度の低い画面確認用なのでそれ自体ではフォントとしては不十分だが、Macとの互換が重要視される現場では必須だろう。
■大日本スクリーン印刷、ニィス、イワタエンジニアリング、ダイナフォント
Macintos版のpostscriptと同じ名前のフォントが「TrueType」形式で多く出ており、そのままファイルが互換できる場合ができる確率が高い。紛らわしい場合もあるので念のため確認は必ずしたほうが良いです。
■リコー、デジタローグ
これらの会社の物はhybrid版のCD-ROMになっているのでWin、Macともに同じ物が揃っています。
フォントメーカーごとの違い以外にも基本的な違いもある、Macintoshでは英数字は全角サイズなのが一般的だがWindowsでは英数字は半角サイズが一般的だ。このため多くの場合は文字組がかわってしまう。